私の彼氏と呼べる相手、勇真は、かなり奥手だ。
それはもう、超が付くほどで、告白したのも、細かく言えば最初にメールを
送るのだって、何かを誘うのも全て私だった。

「はあ…。」

「夏希、リア充のくせに何ため息ついてるのー?
幸せ逃げるぞっ★」

朝からハイテンションで話しかけてきたのは私の親友、雛だ。

「私は強行手段に出ようと思います。」

「それ三日前からずっと言ってるよねー。」

ケラケラ笑いながら他人事のように話す。まあ他人事なんだけど…。

「それで?強行手段の成果は出たの?」