「前に聖那が捕まえられてた子じゃん!」



茶髪くんは笑顔で私に指を差しながらそう言った。



茶髪くんが言っているのは、多分私がやっと佐伯くんを見つけたあの日の事だろう。



「そ、それ見てたんですかっ……!」



「だって、歩いてたら隣にいたはずの聖那がいなくなってるし。

後ろ振り向いたら女の子に捕まえられてたからね~。みんな見てたよ!」



今更だけど、廊下でそんなに注目されるようなことをしていたんだと思うと恥ずかしくて顔が熱くなる。