数分前。

あたしは友達の咲ちゃんとショッピングに来ていた。

咲ちゃんは、高校生になって一番最初に話した友達。

美人で、
スタイル抜群で、
大人っぽくって、
頭も良くって…

頭のてっぺんから、つま先までパーフェクトな咲ちゃん!

笑顔がとっても可愛い!
理想の女の子!
そして、今ではあたしの一番の理解者で、親友!

「ルカー、ちょっとそこのお店見てもいい?ごめん‼︎ 一人でも大丈夫?」

『うん!大丈夫だよ!待ってるね。気をつけてね〜。』

とは言ったものの、一人は結構不安。

ふらーっと、いろんなお店の看板を見ているうちに、迷ってしまった…。

ここ、どこだろう。
どうやってここまで来たんだっけ ?
どうしよう。咲ちゃん…。

あんまり下手に動かない方がいいのかな?

でも……

「ねーねえ、君。」

後ろから肩をたたかれた。

びっくりして振り向くと、知らない男の人がいた。

『はい…。何でしょうか。』

あたしは小さく返事をした。

「あ、可愛い子みーっけ。ねーね。俺と遊ばない?ね、遊ぼ?」

これって、ナンパ…かな?
あたし、ナンパ初めてされた。

「ねー、いーじゃん。美味しいもの食べにいこ〜よ!」

ちょっと怖い。
断らなきゃ、、
え、うそ、声が出ない…?

「あのさー聞いてんの?え、何。無視とかなんなの?」

怒ってるよ〜。
とにかく、早く!断らなきゃ。
どうしよう。
声が… 声が出ないよ…。

「ドンッ」

え、壁ドン!?
わわ、 顔近い!

壁ドンって、キュンってするつやつじゃないの?
全然キュンってしないよ〜
怖いだけだよ!
誰か。
誰か、助けてーーーっ…
目をつぶった。