その時、強引に腕を掴まれ、壁に追いやられた。

『な、なにすっ…んっ…!』

唇に柔らかな感触…。
目の前には綺麗な顔。キメ細かい肌に長いまつげ、高い鼻。

何が起きたのか分からない。

唇に触れた柔らかいものが離れる、
あたし、キスしたんだ…

西島くんが目をゆっくりと開く。

『前に言った事、思い出した。誘ってんの、その顔』
ふっと西島くんはイタズラな笑顔を浮かべた。

『西島くんっ…!なんで?!』

「可愛くって、ルカ。」

え!い、今、ルカって…。

『ん、離してっ!』
ドンッと西島くんを押しのけて、購買に向かった。

ファーストキス、だったのに…!
あたしのファーストキスが…。
しかも、ルカって。

心臓がドキドキ鳴り止まない。

どうして、こんなことするの?
西島くんは謎だ。