「は、うん。ごめん」
明らかに適当な謝り方
「私の親は犯罪者じゃない、なぜ私の父親が貴方の父親を死なせないといけないの?」
顔を覆った手を戻し震えている手を力強く抑える
きっとまた言われるのだろうか
ああ、今度はどう理由をつけて転校しよう
「お前の父親の会社のを吸って癌になったんや」
「ごめんなさい」
こういう時勉強しとけば良かっただなんて
テスト前日ゲームをしていてまあいいかと思ったらテスト当日になると焦り出す
そんな感じ、私らしくない
「ごめんなさいっ」
また逃げるの?
とか自分らしさとか周りの評価とか
今は自分が大事なのに
「こんくそやろー!」
大きな声で叫んで
思いっきりドアを開いて
どこか遠くへと走る