いつも通りの俺。



いつも通りの彼女。



……もう、大丈夫、だ。



「芽依子サン」



「はい?」



「そろそろ行きませんか?」



どこぞの紳士よろしく、俺は彼女に手を差し出した。



「何処にですか?」



「お菓子買いに」



そんな俺の手を淑女顔負けの仕草で取り、彼女はスクッと立ち上がった。



「これは…デートのお誘いってヤツですか?」



「似たようなものデス」



「……そうですか」



これぞ花も恥じらう何とやら。



瞬間、彼女ははにかむように微笑んだ。