「 いや、‥‥美味しいです! あ、じゃなくて‥‥」

「 じゃあ、グルメリポートやってみろ 」

「 えっと‥‥あっ!まるで初恋のような‥‥初々しさを感じる春のよう、‥‥な? 」

「 その話ぶり返すとはお前の脳みその少なさに脱帽だわ 」


いつもの私なら『 美味しいものの最高の褒め言葉は美味しいなんです 』 と即答するのだが、隣にいる響さんとの距離感に心臓が破裂するんじゃないかと思うほど激しく鼓動する。

そして何を血迷ったのか、

「 初めてのキスのような味です! 」

と自分でも理解しがたい比喩を口走った。