次の日。
あたしは郷司と学校に行った。
「ねぇ、郷司ってさ、彼女いないの?」
「どうした?急に」
「いやぁ~?なんとなく・・・、気に
なった。」
「ふーん」
電車から下りた。
郷司はさっきのあたしの質問に答えず
に、違う話をし始めた。
「にしても、美奈は身長伸びねーな」
「なんで答えてくれないの?」
「はっ?あー。さっきのやつ?」
「そう」
「うーん。彼女はいないかな」
「彼女は、ってことは、好きな人はいる
の?」
「さぁ?想像に任せる。じゃぁな」
「え?ちょっ、郷司!」
郷司はそのまま走って下駄箱へ行ってし
まった。
ひどーい!
好きな人いるかどうかは教えてよー!
「よっ!おはよー、美奈」
「あ、おはよー、優樹菜」
「で?昨日はどうしたの?」
「え?メールの通りだけど?」
「ふーん。まぁ、いろいろと頑張れ!」
「はい?」
「じゃぁ、お先~」
「え?待ってよ、優樹菜」
優樹菜はあたしの声が届かなかったの
か、あたしを置いて、階段を駆け上がって
行ってしまった。
「美奈?おはよ」
「あ、涼平。おはよう」
「昨日はなんかごめんな?でも、俺の気
持ちはあの通りだから」
「う、うん」
「じゃっ、先行くな」
「え、ちょっと、待ってよ!」
あたしは涼平にも置いていかれそうにな
り、思わず涼平を引き留めた。
「どうした?」
「あ、いや・・・。ちょっと、さっきい
ろいろとあって・・・」
「そうなんだ」
「郷司に置いてかれて、優樹菜にも置い
ていかれたの」
「まじ?ウケる」
「いや、ちぃーっともウケない」
あたしたちはそう言い合いながら教室に
入った。
「あら~?仲良く登校ですかぁ~?」
「ちょっ、優樹菜!やめてよ」
ふざけてそう言う優樹菜に向かってあた
しは小声で抵抗した。