入学式も無事に終わり、一年生は下校。













二、三年生は普通に授業があるらし

く・・・。












まぁ、単純に、頑張れ!













さてと、あたしも帰るか・・・。













そう思い、あたしは一人で階段を下り

た。












「あ、美奈!」





「おぉー、涼平。どうしたの?」








下駄箱で靴を履き替えていたら、涼平に

声を掛けられた。









「あのさ、少し話したくて、さ」





「あー、うん。いいよ」








こうしてあたしたちは一緒に正門を出

た。









駅近くのファストフード店に入って、あ

たしは適当に飲み物とポテトを頼んだ。










涼平と向かい合って座った。










「急に、ごめんな?」





「ううん、全然!今日、暇だったし」








やっぱり、緊張しちゃうな・・・。








「中学の頃さ、途中で連絡できなくなっ

たじゃん?」





「あー、確か」





「だよな。本当ごめん!」





「え?いや・・・」





「それさ、俺の友達が勝手に消したんだ

よね・・・。やー、えっとね、喧嘩し

て・・・それで、メアド全部消された」





「そうなんだ。大変だったね」





「それにさ、美奈のメアド失った挙げ

句、検索してもでてこねーし。メアド変え

た?」





「え?いや?前と一緒だよ?」









涼平は、「はぁ~?」と言って、ケー

タイをつき出してきた。









「ほら。ちゃんと検索したんだよ」





「涼平・・・」





「ん?何?」





「ここ、“mina”じゃなくて“nima”になっ

てるよ?」





「は?うっわ、まじだ。俺、英語力ねー

な」









名前の部分間違える人初めてかも。










やっぱ、涼平面白いわ。









「美奈。メアド教えて?」





「うん、いいよ」












あたしは涼平にメアドを教えた。









「そう言えばさ、彼氏いないの?」










直球すぎる質問。










「いや?いないよ?涼平は?」





「俺も」





「へぇ~。そうなんだ」





「うん。だからさ、俺、美奈とやり直し

たいんだよね」





「え・・・?」





「あっ!へ、返事は、今じゃなくて、い

いから!その・・・、ゆっくり考えてくれ

ないかな・・・?」





「あ、う、うん。わ、かった」





「うん。じゃぁ、俺、このあとバイトだ

から、行くね?」





「うん、頑張ってね」





「サンキュ」










涼平はそう言うと店から出て行った。











え、どうしよう・・・。












こ、告白、されちゃった。











あたしも、心のどこかで、『涼平とやり

直したい!』って、思ってる部分はあった

から・・・。












で、でも、郷司のことも、好き・・・。












どっちかにしなきゃなんだけど・・・。












あたし、どうすればいいのかな・・・?