家の最寄り駅から三駅のところで電車か
ら下りた。
「美奈ももう、高校か。早いな」
「おじさんクサいこと言わないでよ」
「おじさんクサくねーよ」
「ふーん。興味ないもん」
「言っといてそれか・・・」
「ごめん、郷司。怒った?」
「怒った」
なーんて言ってる郷司だけど、本当は少
しも怒ってないよね・・・。
バレバレ。
「怒ってないくせに。嘘はよくないよ
~?」
って、少しバカにしてみる。
「あはは。よくわかったじゃん」
郷司は余裕そうに言ってくる。
「まぁね。だって、あたし郷司のこと小
さい頃からずっと見てたもん」
意味のわからないことを言ってみる。
「俺は美奈が一歳くらいの頃から見てき
てるけど?」
やっぱり郷司は余裕そう。
く、悔しい・・・。
どっからそんな感情出てくんだよって、
感じ?
「あ。着いた」
「本当だ!わー。あたし高校生だね!」
なんだろう・・・。
高校って、やっぱトクベツだ。
「だな」
「あっ!クラス貼り出されてる。見に
行ってくるねー」
「おぅ!行ってらー」
郷司に手を振って、あたしはクラス表を
見に行った。
「─あった!」
三組だって。
あたしは自分のクラスがわかると、一人
で下駄箱へ向かった。
どんな人と友達になれるかなぁ~。