美嘉にそんな思いをさせているなんて、知らなかった。
思ってもなかった。
「これからは、気をつけるから……」
「透哉はいつもそうだよね。
"これからは気をつけるから……" その言葉ばっかり。
もう聞き飽きたよ。」
「んじゃあ、何て言えばいい⁇
これからも、一緒に居てくれんの⁇」
美嘉は1回黙った。
それから、
「透哉の言葉は信じられない。」
ってきっぱりと言い放った。
「そうか。」
俺には "美嘉と別れる" その1択しかないのか⁇
「それじゃあ、今まで ありがとうね。
楽しかったよ。」
美嘉はそう言って、俺に背を向けて 部屋に戻って行こうとした。
その美嘉の腕を俺は掴んだ。
やっぱり、受け止められねぇ。
美嘉と別れたくない。