土曜日。
今日は午前中からこっちに来てくれるみたいだ。
幸村さんの家臣の人やお父さんに恨まれてなきゃいいけど…。
いや、大事なことを忘れていた。
幸村さんはもう大人。
奥さんがいてもおかしくない。
というか、あの時代に33歳でいないわけがない。
奥さん…
もしいたら、私のこと絶対良く思わないよね。
幸村さんはそういうの気にしないのかな?
私の頭の中は幸村さんの奥さんのことでいっぱいになった。

「夏希殿!」
淡い光と共に幸村さんが現れた。
「おはよう、支度したら早速出かけようね!」
そう言ってお互い支度を始めた。
このワンピース買って良かったかも。
色もレースも海にぴったり。
少しして私たちは初めて2人で家を出た。