「……っ!」


予想外に見抜かれていたことに思わず顔が赤くなる。


「どうなんだよ?」


それを見てか私を掴む桐谷の力がさっきよりも増して強く感じられた。


「そ、そんな、わけないじゃん。痛いから離してよ」


そのまま数秒にらみ合いが続いた後、桐谷は私の腕から手を離し、近くにあったイスを当たり散らすようにガッと蹴り、私の前から立ち去った。


なに……


何なのよ、一体……