そして放課後。
「なー隼人も一緒に勉強しようぜ!もしかして隼人も赤点だったりしてな?」
「なっ何言ってんの!真田!!
廣田隼人は学年トップなんだからー、
誘うなんて恐れ多いよーーー!」
里菜ちゃんは廣田くんに聞こえないように
小声で言うと、真田くんはびっくりしている。
私もびっくり。知らなかった。
廣田くんって本当に勉強も顔もスポーツも…
なんでも完璧。
それに引き換え私は…
ブサイクだしバカだし、
なんの取り柄もないなんて。
「あんたら知らなかったの?
まったくー
もう少しテストに興味持ちなさいよー。
そんなんだから赤点なんて取るんだって」
「里菜ちゃん…その通りです…」
廣田くんが席を立ち、バッグを持ち、
「俺パス」
っと一言って、さーっと教室を出て行ってしまった。