廣田くんが目の前にいる。
自転車を漕いでいる背中姿なら
恥ずかしくないし、
緊張もしない。

それでもやっぱり心臓がバクバクと
いつもよりも激しく動いています。

やっぱり私…重症なんだ…

いつの間気持ちがこんなにも
膨れ上がってたのですか?

「なぁ?あんた腹減ってる?」

「…朝ごはんもお昼ごはんも食べてないですし、
胃の中は空っぽです」

「ならよかった。ついた」