「・・・あっつい。ものすごく、暑い!」

ほんの数十秒前まで人だった・・・もとい、今も人だが亡骸と化したものを見下ろし、女は苛立った様子で黒髪をかきあげた。

一瞬、思案した後、携帯を取り出しどこかへ電話をかけた。

「もしもし?私。えぇ。処理をお願いしたいの。頼んだわ。」

極めて簡潔に通話を切った彼女は、またも自身の足元の亡骸に目を落とした。

「ごめんなさいね。やり過ぎたかしら。でも・・・あなた達が悪いのよ?」

そう言い残し、身を翻して歩き出した。