「おおっと、一花ちゃん平気?」
「ひゃっ!だ、大丈夫っ」
一花の腕を掴んだ生活委員長。
その手を払いのけて、一花はオロオロ戻ってくる。
そう。一花は人懐っこいくせに、必要以上に近づいてくる男は徹底的に避けるという訳の分からん性格の持ち主だった。
おまけにそれが好意だとも気づかない天然さは、オレ的には助かるってゆーか…
いやいや、
オレは関係ねーって。
「いつまでもノロマにやってっからそーなんだよ。はやくノートとれ」
「ぅう、わかった…」
オレの隣で安心したのか、一花は小さく深呼吸してノートをとり始める。
たしかにこいつを放っとくわけにはいかねー。とは思ってるけど
別にオレのとかそういう…
「会長、隣ばかり見てないで。議題進めていーですか!」
「なっ…、見てねぇ!」
千香の一言はいつも余計だ。