俺は息を切らしながらも槍を握り直す。

俺の前にはあのリーダーらしき人物。

何度も技を繰り出すが、あいつは全て避け、さらにこの余裕顔だ。


「確かにそこらのガキとは違うみたいだが…甘い。」

「うっせ……!まだまだだっての…!」


俺は槍を立てると、そのまま遠心力を使ってあいつの背中に回り込んで素早く突いた。


「遊びは終わりだ。」


あいつの姿は一瞬で消え、気づいた時にはその姿は俺の後ろにいた。

そして軽く背中を押す様な動作をする。


__ドフッ


鈍い音と激痛と共に俺の体は宙を舞う。


「かはっ……!」


そして地面に落ちる。


俺の視界の先にはただ茫然として立っている桜夜の姿。


「手加減はした。死にはしないだろう。」

奴は桜夜に近付いていく。

桜夜はペタンっとその場に座り込んで頭を抱えている。


……まずい!桜夜が錯乱してる!!

動け!俺の体!!


そうは言っても動かない体。

想像以上にダメージが大きい。


それでも桜夜の所に行かなきゃ行けないんだよ!!


「言うことを聞けぇぇぇぇぇぇ!!!」


俺は渾身の力で叫んだ。