えっ!?


この優しい声は………



顔を上げると、白金先輩が立っていた。



「あ、やっぱりこの間の子だ。ヘアゴムに見覚えあるなと思ってさ」



にっこり笑ってそう言うと、白金先輩は手を伸ばしてくれる。


私は心臓がバクバク言いながらも、そっと手を握った。



ゆっくりと、立ち上がらせてくれる。



「怪我してない?」

「はいっ!してないです!ありがとうございます、白金先輩!」

「あ、俺の名前知ってるの?」

「え、えと、苗字だけ…」

そう聞かれて言葉に詰まって、しどろもどろしていると、白金先輩はまたにっこり笑った。



「2年Aクラスの白金純(ジュン)です。よろしくね。君は?」

「えっと、1年Aクラスの藤井真珠です!」

「真珠ちゃんか。可愛い名前だね」



かっ…可愛い!?!?!?



白金先輩にそう言われて、真っ赤になる。


言葉が何も思いつかなかった。



「白金ー!早く行くぞー」

「今行く!…じゃあ、気をつけてね、真珠ちゃん。バイバイ」



白金先輩はそう言ってまたニッコリ笑って、呼んだ友達の方へ走っていった。



私は白金先輩の後ろ姿をただボーっと見つめていた。