…ドキドキする……
こんなの、初めて…

恋はしたことある。…でも、こんなにドキドキするのは初めて…。


教室に行ってもドキドキは治まらなかった。
同じクラスなんだよね。
だからこそ、彼を目で追っちゃう。

席が私の斜め前なんて、知らなかった…。
(あ、いや、名前は知ってたよ。)

…ホームルーム中も、

…授業中も。


きれいな肌してるなぁ…。

まつげも長いし…。

髪の毛に少し茶髪がはいってる。


…好きだなぁ……。


「なに?」




「え?」


「…え?じゃなくて、なに?なんでずっと俺のほう見てんの?」

…気づかれてたんだ…。
「…ううん、なにもないよ。ごめん。…嫌だった?」

「いや?別に嫌じゃなかった。ただ、なんで見てんのかなって…。」

…言える訳ない。好きになったんだなんて。
それに、まだ冴木くんのこと、深く知らないし…。

「…なんか、みとれてた。あはは…。なんちゃって…。」

「ははっ、いいよ、ありがとう。」


…また、ドキドキし始めちゃうよ。
そんなきれいな笑顔見せるなんて…。