「教室いこっ!」

「うん!」


そういって、依織に続いて歩き出した……ら、

___ぐきっ。


(…ぐきっ?)

体が後ろによろけた。

「羽琉っ!?」

___ぱしっ。


(…ぱしっ?)

私の体は、誰かに支えられた。

「…っぶね…。」


その誰かは、_____龍也くん。

冴木龍也くん。同じ、2年3組。

「冴木!…羽琉、大丈夫?」

「うん、大丈夫。ごめん。ありがとう、冴木くん。」

「…どういたしまして。……足、ひねっただろ。…歩ける?」

…あっ、気づいてるんだ。すごい。

「…うん、歩けるよ、大丈夫。」

そういった瞬間の、冴木くんの一言がきっかけで…私は…。




「…お前、「大丈夫」って多いな。気ぃ使ってんなよ。」





…今日、冴木くんを好きになる。