「これだよな」



声がした。指先にも見覚えがある。



「あ、ごめんね。細川クン」



細川クンだ。私は目を合わせた。



細川クンは優しく頭を撫でて、男の子たちの輪の中へ



「幸せな場面みれたっ」


そこへ運悪く梨花が来た。

梨花が私を冷やかす。




「細川クーン。やるじゃーん」


「何……梨花が落としたんだよ!」


「そっか。キューピッドは私なんだ?」


梨花に散々冷やかされても、細川クンを凝視した。