私のポケットには、幸せのアイテムがあった。



「…いいのか?」


「う…うん。
寒そうだから…使って」



私は恥ずかしくて、細川クンと目を合わせなかった。
やっぱり…嫌?




「ありがとう、高田」



でも、好きなんだ。こういう優しい言い方…大好きだった。



「高田ある?寒いやろ。高田の体調もあるやん?」


「いや…これ、寒いとか…そうじゃなくて。ドキドキを…」


「ドキドキ?」