「国の恥さらし!」
「消え失せろ!」
「死んじまえー!」
私は、耳をふさいで
ベッドにもぐりこんだ。
城の中まで、
民たちが自分に浴びせる
罵声が聞こえてくる。
カーテンを少しだけ開け、
隙間から下をのぞくと
罵詈雑言でうめつくされた旗や
武器を持った人々で庭が覆われ
地面の色がわからなかった。
この前まで、
「姫様ー!こっちを向いて!」
「なんてお美しい姫様なの」
と、口々に言っていたではないか。
…敵国の人だからといって、
その人まで敵ではないじゃないの。
私は、敵国の王子と恋に落ちた。
王子との駆け落ちを目論んだ。
そして、結果は失敗。
私の国の兵士に
ふたりそろって捕えられ、
王子は死刑になった。
私は、
唯一愛した人を失い、
唯一の居場所を失った。
「消え失せろ!」
「死んじまえー!」
私は、耳をふさいで
ベッドにもぐりこんだ。
城の中まで、
民たちが自分に浴びせる
罵声が聞こえてくる。
カーテンを少しだけ開け、
隙間から下をのぞくと
罵詈雑言でうめつくされた旗や
武器を持った人々で庭が覆われ
地面の色がわからなかった。
この前まで、
「姫様ー!こっちを向いて!」
「なんてお美しい姫様なの」
と、口々に言っていたではないか。
…敵国の人だからといって、
その人まで敵ではないじゃないの。
私は、敵国の王子と恋に落ちた。
王子との駆け落ちを目論んだ。
そして、結果は失敗。
私の国の兵士に
ふたりそろって捕えられ、
王子は死刑になった。
私は、
唯一愛した人を失い、
唯一の居場所を失った。