「あんたの顔なんか見たくもない」
母が変わってしまったのは、父と離婚した日からだった。
中学1年の春。
父と母の中が急激に悪くなった。
理由は、父の酒癖の悪さ。
きっと、母も我慢の限界だったのだと思う。
離婚して、父が家を出ていった日から、母は私を邪魔者扱いするようになった。
私が父に似ていたから。
「お母さん、給食費なんだけど…」
「お年玉残ってるでしょ。自分で払って。」
「…分かった。」
父から送られてくるお小遣いがあったから、母からお金を貰うこともない。
母にお金を貸すことは何度もあった。
貸したお金は、返ってこないことがほとんど。
それでも、お金を貸し続けていた。
捨てられてしまうのが、怖かった。