ー帝国学園、校門。
「おい、優……」
「うん、何かな?」
何かな、というか………。
目の前にそびえ立つ城のような、洋風の建物。ありえない数のリムジン。
「ここは日本じゃないみたいだぞ、優」
「んー、わりと日本だよ」
わりとって何だよ!!
お金持ちめ!!誰も、歩いて登校してねぇー!!
「菜智、ほらついたよ?」
リムジンが止まると、優はあたしの方のドアへと周り、扉を開けて手をさしのべる。
「わざわざ、そんな風にしなくたって、一人で立て…」
「男は、好きな女性はエスコートしたいものなんだよ」
そう言って、あたしの手を掴み、引き上げる。
「お、おい!!」
そして、車を降りた瞬間、またあたしは驚愕した。