「伊木は毎日笑顔を振りまいた。
誰にでも、自分が辛くても。
足を骨折した時も笑った。
部員に迷惑を
かけたくなかったから。
けど、他の部員は怒って言った
『ふざけんなよ!ガッカリだ』
ってね。
ベンチでも頑張ろうと思った、
本人とは裏腹に、
学校の教師や親が言ってきた。
『部活やってても仕方ないから
もうやめて勉強を専念しなさい。』
本人の心に刺さった。
そして我慢して我慢して…
気が付いた昨日にはもう心が、
曇りしかなくなった。
バスケも勉強も人付き合いも
生きていることすらも…
わからなくなった。」