それはほんの一瞬で、

でも永遠のような時間で。

久瀬君が私の視界いっぱいに写って、

さっき諦めようとした好きだという想いを

改めて感じてしまうのには充分な時間で…

唇が離れたとき、私はただただ赤面して。

「く、くぜ、久瀬君…?
いいい今の、あの、私幻覚見てたのかな?
ごめんね、なんか…「幻覚じゃない」

その言葉にこきゅっと喉がなったのがわかる。

「杉浦のこと聞いた理由、もうわかっただろ?
…俺は、お前のことが好きだ」

さらりと言われた言葉に、

数秒硬直して、

一気に覚醒して

かあああっと今までにないくらい顔が火照ってくる。