「私の夢は、家族で仲良く暮らす事です。なので、そのためには3人に仲直りしてもらわなくてはなりません。」
「「「………………」」」
「3人の仲を引き裂く原因となったのは私なので、謝ります。本当にごめんなさい。」
そう言って頭を下げて綺麗に謝る姫奈。
「仲直りして下さい。せっかくの家族なのに、バラバラなのは悲しいです。ただでさえ一般的な家庭より家族の時間が極端に短いので。」
「姫奈……それは無……」
無理だって言おうとすると
「仲直りするまでリビングから出しません。お手洗いにも行かせません。夕食も摂らせません。自己中心的なのは重々承知です。だけど、これだけは譲れません。」
それを遮る姫奈。
その瞳は真っ直ぐで、一切の曇りもなく堂々としている。
「ではそういう事なので。私はこれで失礼します。」
「えっ、ちょっ、姫奈!?」
姫奈とアランはリビングを出て扉を閉めた。
母さんが慌てて扉を開けようとすると、衝立が何かがあるのか扉は開かない。