「どうして、家に帰って来てくれないんですか?」





「俺は、あいつらの顔が見たくないんだ。」






「どうしてですか?」





怜夜達は、黙って俺たちの会話を聞いている。






「あいつらは、俺に姫奈の存在を教えてくれなかった。姫奈の存在を知ったあの時だって、タイミングが違かったら一生教えてくれない雰囲気だった。」






実の兄妹なのに、存在を知らなかったなんて可笑しな話だろう?





ありえない。




「……お父様達が私の存在をお兄様に教えてくれなかったのは、ちゃんと理由があるんです。」







「…………理由?」






「私がお兄様の存在を知ったのは3歳の時です。あの頃は少し興奮するだけですぐに発作を起こしてしまう程体調が安定してませんでした。」






「あぁ。」