そして踵を返してリビングを出て行ってしまった。
シーンとリビングが静まりかえる。
「やっぱりダメねぇ」
「あぁ。そうだな。」
悲しそうな表情のお母様とお父様。
「お兄様……」
一体どうされたのでしょうか?
「姫奈、話があるから座りなさい。」
「はい。」
私はお父様とお母様の向かいのソファに腰を掛ける。
「そろそろ日本人の婚約者候補を決めたいと思っているんだ。」
「……はい。」
すぐに怜夜様の顔が頭に浮かんだ。
「それで、だ。決めるにも相性が大切だろ?」
「だから今月中にパーティを開いて決めたいのよ。」
「……はい。」
つまり、婚約者候補を決めるパーティを開きたいと。