「・・・ありがとう。そう思ってくれるなら俺が塗り替えられたってまた自信持てる。葵、葵の優しいところ、誠実なところ、諦めずにやり遂げるところ、全部好きだ。結婚も籍を入れることも全部、描いていたものとは違ったけど、お前と結婚出来たから一番の自己満足が出来た。これからもずっとお前のパートナーでいてもいいか?」


祐が挙げてくれた私の好きなところ。まるっきり同じ。私が思う祐の好きなところと。


「ずっと、パートナーでいて下さい。私も祐のことがめっちゃ好きやで」



同じ人と二度結婚した。でも、その結婚はどれも意味のある偽装結婚。


一度目の結婚はおばあさんに結婚式を見せてあげるため。二度目の結婚は私の企画のため。どちらも気持ちが通じ合っているものなのに、敢えて偽装結婚を装った。

それは他の人からすれば、偽装する必要なんてないのかもしれない。でも、偽装結婚を経験したからこそ、彼と私が心の底から自己満足した結婚ができた。

「結婚指輪、買いに行こうな。新居も決めて、早く二人で住もう」

「うん。新婚旅行もどこに行くか決めようね」

「ああ。それから結婚式。葵がしたい結婚式しような。お父さんやお母さんを感動させて泣かせられるような」

「・・・うん」