「優木さん?」
「は、はい?」
「視聴者の方にお願いします」
視聴者。視聴者の方にメッセージ。思いつかない。どうしよう。そんなとき、咄嗟に思い出した言葉が口をついて出た。
「「恋愛は合コンに転がってない。職場で生まれるんだ!」」
「・・・優木さんは恋も仕事も職場で掴んだということですね。いやいいですね。以上trabitの優木葵さんにお話をお伺いしました」
終わった。うまい具合にアナウンサーの人が纏めてくれたけれどもう誰の言葉も耳には入ってこない。
結局、ツアー自体は何事もなかったけれど、私の精神状態は崩壊。
楽しんでくれたお客様が帰りにお礼の言葉をくれたのにそれすらも入ってこなくて、散々だった。
「久々だね、ここに来るのも」
カレーを食べた後、ドライブでもしようと祐が連れてきてくれたのは、海だった。懐かしい。二人並んでまた浜辺に腰を下ろした。
あのときはもう絶望しかなかった。企画を認めてもらえて、結婚も決まってすべてが順風満帆。その矢先の転落。
何も考えられなくて真っ暗だった。
そんな私を強引に引っ張ってくれた、祐。本当、彼がいてくれて心から良かったと思う。
「は、はい?」
「視聴者の方にお願いします」
視聴者。視聴者の方にメッセージ。思いつかない。どうしよう。そんなとき、咄嗟に思い出した言葉が口をついて出た。
「「恋愛は合コンに転がってない。職場で生まれるんだ!」」
「・・・優木さんは恋も仕事も職場で掴んだということですね。いやいいですね。以上trabitの優木葵さんにお話をお伺いしました」
終わった。うまい具合にアナウンサーの人が纏めてくれたけれどもう誰の言葉も耳には入ってこない。
結局、ツアー自体は何事もなかったけれど、私の精神状態は崩壊。
楽しんでくれたお客様が帰りにお礼の言葉をくれたのにそれすらも入ってこなくて、散々だった。
「久々だね、ここに来るのも」
カレーを食べた後、ドライブでもしようと祐が連れてきてくれたのは、海だった。懐かしい。二人並んでまた浜辺に腰を下ろした。
あのときはもう絶望しかなかった。企画を認めてもらえて、結婚も決まってすべてが順風満帆。その矢先の転落。
何も考えられなくて真っ暗だった。
そんな私を強引に引っ張ってくれた、祐。本当、彼がいてくれて心から良かったと思う。