本当にあり得ない。あんなの見られたら笑いもの。


さっき直帰させてほしいと電話を掛けて、ひたすら社長にからかわれた。笑いながらお礼まで言われて明日から会社に行きづらい。


それなのに祐の家族にまで見られていたなんてもう、全てが終わった。


「じゃあよろしくお願いします」


託児所を後に、少し早めの昼食を海鮮レストランで取った後、いよいよインタビューの時間がやってきた。

あー緊張する。とりあえず聞かれたことに答えてくれればいいと言われたけれど、もし、噛んだらどうしよう。


「では、子育てママのためのツアーを企画されたtrabitの優木さんにお話を伺いたいと思います。優木さん、よろしくお願いします」


「trabitの優木です。よろしくお願い致します」


なんとかうまく答えられた。ツアーを企画した理由や大変だったことなど。祐が出発前に模範解答を予め考えてくれていたから。


私は自己満足したいからと答えたかったけれどさすがにそれは却下されてしまった。