「本当、あれが毎日だとやっぱりどんなお母さんでも参ると思うよ。私も絶対に気分転換は必要だと思う」


「まあな。それはそうだろうと思う。あそこの託児所これからいっぱいになるだろうな」


「それでも、少しはお母さんの気分転換の時間が出来るならいいことだよ」


そう言って、ナンを頬張る。ツアーの話はいくらでも話すけど、どうかインタビューの話は聞かれませんように。


ツアーは大成功だったけれど、インタビューは最悪だった。それはもう汚点と言わんばかり。


「そういや、葵。インタビューはどうだったんだ?」


「えっ?いや、うん。うまくできたかな」


とんでもない。うまくいくどころか思い出したくもない。祐は、見てないのか。絶対に見られたくない。


「そ、そんなことより、ナン、お代わりしようかな」


「そういや、葵がテレビに出るって言ったらうちの家族が録画するって言ってた。俺も見たいし、楽しみにしとくか」


「ろ、録画?!待って!本当に録画したの?っていうかあれを見たかもしれないってこと?」


「おい、葵。どうした?大丈夫か?」


「ない、ない、絶対ない。あり得ない。終わった、終わったー!」