「・・・信じてたのに。俺、優木さんだけは信じてた。こんな女のことを信じるなんて」


「こんな、女？」


「この女は、自分の企画のために優木さんと偽装結婚したんですよ！あなたは騙されてるんです、優木さん」


立ち上がり、私を指差して、軽蔑した眼差しを向ける柳くん。私が祐の名前を利用したいがために偽装結婚した？？


「・・・それで、葵を陥れようとして嘘を吐いたのか？企画を潰してやるつもりだったって、ことか？」


「そうですよ。こんな女の企画どころか、こんな女、会社自体辞めさせればいいんだ。優木さんを利用して自分の企画を成功させようとする女なんて必要ないでしょ？」


「・・・私は、私は優木くんの名前を利用するために偽装結婚なんてしてない！」


「とぼけるつもりかよ？こないだ社長と話してただろ？偽装結婚を大いに利用って」


社長と話してた？思い出した。確かにそんな話をしていたけれどそれは社長が言ってたこと。

でも、それもまた柳くんにしたら言い訳だとしか思わないはず。