「そか、行ってらっしゃい」


「うん、じゃあ行ってきます」


母さんが家を出ると同時に、父さんが起きてきた。


「おぉ憐斗-レント-おはよ

今日は早いな」

「‥‥はよ」



朝めしの用意された机に着くなり、今日も相変わらず旨そうだなぁなんて呑気に呟いてる父さんを横目に、歯を磨く。


こんな時間に行ったらみんな驚くだろうな。

みんなの驚く顔を想像して楽しみになりながら手際よく制服に着替える。


「じゃあ父さん

俺もう行くから」


「ん、今日は父さんが最後か

明日は雪でも降るのかな」


「キャンディーでも降ってくれればいいのにな」

「はっはっはっ

そうだな、いってらっしゃい」


たまにはいってらっしゃいを言われるのもいいかもな、なんて思ったが口にはしない。


「‥‥行ってきます」