「おーついたついた
よーこそ稜翔高校へ」

「‥‥」

「ボロいだろ

あ、職員室はそこから入ってすぐ右に曲がったらあるよ」


俺が指を指しながら言うと。

ありがとう、と呟いて校舎の中に入っていく彩。


チラ、とこちらを振り向いて手を振っていった。


‥‥可愛いな。


「可愛いなぁ‥‥」


もちろん口にしたのは俺じゃない。


「いやーほんと、俺のクラス来てくんねーかなー」

「残念、俺のクラスだから」


たぶん今の俺の顔は相当ニヤけてるだろうな。


「まだ決まったわけじゃないだろ!

いやー、彩ちゃん可愛いなぁ」


「へいへい

早く行かねーとチャイムなるぞ」