結side

「えっ…」

靴箱を開けると小さな紙切れが置いてあり、
恐る恐る開けてみると

"放課後、裏庭で待ってます。"

という文字。

『もしかして…///』

ドキドキ跳ね返るうるさい鼓動に余計胸が高まる。

裏庭へ進む足が小刻みに震える。
自分が緊張している
ということが嫌でも知らされる。

裏庭に近づけば近づくほど鼓動が早くなっていく。

裏庭のドアの前。

『落ち着け、落ち着け。』

ドアノブに手をかけるのに時間がかかる。

自分の一つ一つの動作にいちいち体が反応する。

視界が灰色のドアから、鮮やかな裏庭に変換される。

「っ…結、くん…ですか?」

「は、い」

真っ赤な顔をした女の子が瞳に映る。

『赤いネクタイ…2年生だ』

「あたし、高橋 愛。2年生です。今日、呼んだのはね、」

真っ赤な顔をしながら、一生懸命単語を並べてるような話し方。

深呼吸をして放った言葉。

「あなたが、結くんが、好きです。
付き合ってもらえないでしょうか…っ」

「は、はいっ…」

気づいたら、OKしてしまった。

『でも、いっか…』

高田 結、人生初の彼女出来ました。