―全て話したあと、涙がただ流れていた。
泣かずには、いられなかった。
「･･･」
仁くんは、何も言わずに頭を撫でてくれた。
その温かい手にまた涙が流れた。
―「スッキリした？」
「うん、ありがとう仁くん」
水で濡らしたハンカチを目にあてながら言った。
仁くんは、ポケットから携帯を取りだし誰かに電話をかけた。
「おぅ。」
電話口から、男の人の怒鳴り声が聞こえる。
「････早くこいよ。･･･あぁ･･･」
誰かがくるらしい。
電話を切って、ポケットに戻した。
「誰かくるの？」
「うん。」
私は、ひたすら目を冷やし続けた。
