-爽音 side-

真白が一緒に帰れないなんてよっぽどの用事なんだ。

―ガラガラ

教室の戸が開いた。

「真白いる~?」

あいつか。

「真白なら、約束あるって言って帰ったよ」

「あっお前!」

教室にあたし一人しかいないっつうの!

「約束って?」

「知らねー。あんた、真白のこと誘わなかったの?」

「誘ったよ。でも、先約あるからって」

頭を抱えた。

「バカか!お前は!」

まだ、真白がいるかと思って窓から外を見た。


―・・・え?

「ちょっ・・・ちょっと!ガキ!来て」

手招きをしてあいつを呼んだ。

「なんだよ・・・」

しぶしぶこっちに来た。

「見て!」

頭を窓ガラスに寄せた。