「もし、友達に『ハルキのどこが好き?』って聞かれても私、答えられない…思いつかない…」

無表情の彼は、感情を隠している?
それとも本当に何も感じていないの?


「…ここ一週間以上、私、まともに食べてないんだよ?」

驚いたように顔を上げた彼は、私と目線が絡まった

「…まじ?」

「食べ物が喉を通らないんだもん
正確に言えば食べれていない
飲み物しかまともに入んない」

「そ…うだったんだ…」

食べることが趣味と言い張るほど、食が大好きな私
君は、そのことを誰よりも知っているはず
そしてそんな私を、食べれなくさせたのも、君なんだよ


ため息がこぼれた
「はぁ…

ご飯もまともに食べられないから、頭も働かないし…!
泣かなかった日なんてない
ただぼーっと座って、時間だけがすぎる時だって何度もあった!拭いても拭いても意味わからない涙は止まりやしないの!
授業中なんてずっと上の空
感情さえも薄れた

ここ一週間…私は、心から笑ったことは1度もない」

鋭い目で目の前を見つめる私
動揺の目を泳がせ私を見つめる彼

第三者から見たら、私たちは恋人
しかし、次の数分で告げられる言葉が、お別れの鐘を鳴らし、さよならをする、切ない恋人同士だ