エスカレーターを上がって、曲がり角を曲がれば、もう着いてしまう
高鳴る心臓はドクンドクンと音を立てる

店内でハルキを見つけるのは、私の得意技なんだ


『見ーつけた!!』
『おう!』
『何してるの?勉強?えー偉いじゃん!』
『だろぉ?俺意識高いからぁ!』
『もー!うそっぱち〜』
笑い合う2人、慣れた会話
いつもしないくせに、私を待つ時はいつも勉強してるから…


でも今日は、そんなかわいい会話なんてない
窓からみた彼は、携帯をいじったいた


ゆっくりとハルキのいる席に向かう
私に気付いて顔を上げた彼は、私のなんなのだろう…
向かい側の席に無言で荷物だけ置いて、カウンターへと進んだ
なんか…落ち着いて直視するのが難しいな…
カフェモカの注文を終えた私は、彼と向かい合わせの席に腰を下ろす

しばらく沈黙が続く
ったく…私の役目かよ

「色々考えたよ」
ゆっくりと口を開く私
時間もないから、率直に本題に入った
俯きながら、無言で頷く彼
なにか言ってよ、わかんないじゃない

「あのね…」
ここからだ
私なりに考えて出した答え
この負の感情に惑わされる日々の、終わらせ方
もうあんな想いするのは、耐えられないから


「私、やっぱりハルキのこと信頼できない」