行く宛もなく、数分経った後、また目が熱くなった
こんな町のど真ん中で泣けないから、とりあえず目に入った漫喫へと足を運んだ

はぁ…
『なにやってんだろ、バカだな』って、普通だったら思うのかな?
私は、そんなこと思えない

『なにやってんだろ?』
サークル抜け出したんだよ

『バカだな?』
この状況で普通にいる方がバカだ

今まで何かあれば、誰かに話を聞いて貰えば、少しは軽くなった
聞いて貰えば、この痛みも少し軽くなるのかな…?
送りまくるLINE
みんな同じ内容
思いついた人全員に送りつけた
飛んだ迷惑…

その中、何人か返信くるけど、ミーティングだのサークルだのバイトだの…
まぁ、土曜日の日中、みんな予定あるのは当たり前だよね…

ちょうど、諦めかけた時、携帯が鳴った

「ゆか?どした?」

亜由…

「今電話…へーき?」
「今バイト休憩だから、いいよ」

バイト休憩か…30分くらいかな

「あのね…」



全部話した

「…っ、でねっ、昨日の飲み会で、話さず見てたんだって、くっ…私の性格確かめてた、の…っ」

「…確かにあいつ昨日あまり喋らなかったよね」

意見合わないって確信したきっかけと言われた昨日の飲み会
そこには亜由もいた

亜由、気づいてたんだ
私、何も気づかなかったよ…

静かな漫喫での泣き声は、たとえ仕切りがあっても丸聞こえ
トイレに駆け込んでジェットタオルを、ひたすらずっとかけ続けた
そこでまた、泣くんだ
亜由以外の誰にも聞かれないように

自分では、何言ってるかわからないくらいめちゃくちゃ
順序なんて頭になくて
自分が何思ってるかさえ整理つかない

それなのに、亜由はずっと聞いてくれた
電話越しで、頷いてくれた