ようやく諦めた男が去ると、一歩一歩近づく
やっと気付いたらしい彼は、いつも通りに声をかけてくる

「おう、久しぶり」
「ナンパされてたんだけど…すぐそこで」

「え?まじ?」

そこ、本気で驚くなよ
ざらにあるし

「守ってよ…」
小さく呟くた…けどハルが聞こえたかはわからない

私の元バイト先、そして彼の元バイト先でもある飲食店がある
そのチェーン店に入った

席についた私たちは、とりあえず飲み物だけ頼んで、向き合った


どちらからとも話さず、続く沈黙…

長い沈黙に耐えられなった私は、声を発した

「なに?」