「もうやだ…」
それしか言ってないのに、すぐに察した

「ふられた?」
「なんでわかんのよ」
「それくらいしかねぇだろ…」

それくらいって…当たり前みたいに言わないでよ

「忘れろよ、そいつのことなんて」

「無理だよ、できない」
「無理じゃねぇ
他のやつとヤってでも忘れろ」

「できない…!」



「俺が、忘れさせてやるよ」


最近まで辛い思いをしていた彼
その相談に乗っていた私

立場逆転ね


いつも、私が言ってほしいことを言ってくれるところ、昔と変わっていない
そういうところに、私は胸を打たれた
その場面その状況で、それ以上なくキュンとする言葉を、彼はドストライクに言ってくれる

彼なら…また私のこと大切にしてくれるかもしれない
あの時みたいに、彼に教わった幸せをくれるかもしれない

そう思った


でも…私は甘かった
相談にのったりして、彼が私に気を持っていたことは気づいていた
そのあからさまな態度を見て、気づかない方がバカだし
でも、それで、また好きになってくれると思った私はそれ以上にバカだった


だって彼にとって、私はただの都合いい女なだけだった

急に優しくしてくれたのも、特に気持ちはない
優しくされて、嬉しかった
欲しい言葉をもらって、愛を感じた
時にはドキドキしたりした

でも、ヤれないってわかった瞬間、去っていくんだ

結局…彼の目的は私のカラダ

それ、だけ…