でも…

もし、私が行ったら、ハルは悲しむ？呆れる？
こんな軽いやつだったんだって、軽蔑する？


「先輩、明日1限なんじゃないの？」
「別にお前来ても行けるよ」




「じゃあ…行く」

絞り出した答え
別にヤりたくて行くんじゃない
ただ、まだ帰りたくない、帰れない

「わかった」

最低だな私
きっと先輩は、家帰ったら当たり前のように襲ってくる
でも私は、ヤりたくない
聞いた上で家まで連れて帰って、ヤらせない女にんて、男にとっては最低だ

先輩、ごめんね

男の人の家に行くのに、恐怖なんてもの感じない
今まで何人の男に騙されてきたと思ってるの
今更、怖くないよ

そう
私は今まで何人にも…

セフレみたいな人がいた時期もある


でも…ごめん…私ね、恋してわかった
自分を汚しちゃいけない
汚したくない
愛する人としか、ヤりたくない
愛がないセックスなんて、気持ちよくもなんともない
自己嫌悪に陥るだけ
これも男女の違い？


電車に揺らされる間、ずっと先輩の肩に頭を預けていた
ついさっにフォローされた私のツイッター…
あいつ、見るかな？

もし私が楽しんでる姿を投稿したら、あなたはどう思う？
焦る？ガッカリする？なんとも思わない？
そんなのは、どうでもいい
私のハルへの感情は、いつの間にか怒りに変わっていた

「投稿したの？」
「した〜！」
「彼氏に見せつけるため？」
「うん…」
「見せて」

開いたままの画面を眺める先輩

『久しぶりに酔った！！（≧∇≦）超楽しい！さいこー！♪』
下には、カラオケの外で撮った写真

写真の中の私は、こんなにも笑顔なのに…
心の中には、闇で包まれている

「いいじゃん、これ見たら彼氏も余裕ではいられないよ」

優しく微笑む先輩は、暖かくて、少しだけど私の心を軽くしてくれる

先輩の家に着くなり、私はベッドの上に座って、邪魔なアクセを外す
先輩は優しいから…私が「やだ」って言えば、何もしてこないだろう…

…って思っていたのに