「私先輩の隣がいい〜」
素直に言った私は、代表である先輩に歓迎された
帰ってきたらコール
ほんと、何をしても飲む


いつもの私は、どこに行ったかわからない
潰れたくなくて、無理に飲むのことを避けていた私はどこに行ってしまったのだろう?

ノンストップに注がれるお酒を、一気飲みし続けた
歌うにも全く曲に合ってなくて、他の人が歌う曲にも、全然知らないくせにハモって
でもみんなも同じ、それで笑うから


2時間後には、みんな酔ってて、男女3:3だったグループは自然とペアになっていった
私はラッキーなことに一番かっこよかった先輩と
寄りかかって、そんな私の肩に腕を回してくれる先輩
その仕草、私好きだよ
前の彼氏に惚れたのも、これが理由の一つだったっけ…?
ほんと、惚れやすい体質で困ったもんだ

それからは笑いが絶えなかった
笑い、はしゃぎ、バカやって…
もう、忘れたかった


「あいつら絶対この後ホテルだよ(笑)」


カラオケの時間が終わって、私たちは酔ったまま外に出た
明らかにふらふらな私は、夜の新宿や渋谷によくいる、ザ大学生
「あーやってるよ」「またか」、とでもいうような呆れた目線を送ってくるスーツ姿
私がいつも送る側の視線
それが今は送られる側

私が今まで見てきた人たちも、もしかしたら辛い思いをしてのことだったのかな?
みんな、辛くて…忘れたくて…酔い潰れていたのかな?
だとしたら、今ならその子たちの気持ちがわかるよ

時刻は21:30
帰りたくない…
まだ忘れるには全然足りないよ…
こんなに酔って、はしゃいでも、ハルのことがまだ頭には残ってる

「お前この後どうするの?」
肩を抱いたまま、聞いてくる先輩

「え〜どうしよぉ〜帰りたくなあい〜」
特に意味もなく笑い続ける私
この後の言葉なんて分かりきってるのに…

「俺んちくる?」

ほらね
なのにすぐ答えられない私は、何を考えているんだろう

『そんな人忘れてさ、新しい人探そうよ!』

『忘れろよ、他の奴とヤってでも忘れろ』

酔った頭の中、浮かび上がる言葉たち…
「彼氏から距離置こうって言われた…」などと、報告した人たちからの励ましの言葉
いけないことだってわかってる
先輩の家行ったら、どうなるかってことも…