「そもそも、どうしてそんなにこだわるんです。そのうちお前はプリンセスの専属騎士にするつもりです」

「・・・だよ」

「はい?」

「あいつの事、もっと知りてぇんだよ。あいつは、俺の瞳を綺麗だと言った。あいつがなにを想ってんのか。なにを見ているのか。俺は知りたい」





シドの言葉に、クロウはまっすぐシドを見る。
なにが、これほどまでにシドを変えようとしているのか。
今までなら、決して起こらなかった変化。




“危険因子はすぐに排除すべきだ”



クロウの脳裏に、低く響く声がよぎる。
その声を消し去ると、ニッと口角をあげた。




「いいでしょう」

「ほ、ほんとか!?」

「ですが。これより2日、特別な訓練に耐えきれたら特別に許可します」

「と、特別・・・?」

「ええ。容赦は、しませんよ」





悪魔のようなどす黒い笑みを浮かべたクロウに、冷や汗をダラダラとかくシドだった。