「お前は、なんで俺になってほしかったんだ」

「え?あ・・・。どうしてだろう・・・。なんだか、シドの事がすごく気になって・・・。綺麗な瞳をしているのに、どうしてそんなに寂しそうなんだろうって・・・」




梨乃の言葉に、シドが顔を向けた。
交わった瞳が、トキを止めたように重なって。




「っ、バカなこと言ってんじゃねぇよ」




勢いよく顔を反らされた。



「えっ、な、なんで」



戸惑いあたふたする梨乃に、シドは顔を腕で隠した。
赤く染まっているであろう顔を悟られぬように。




「・・・仕方ねぇからな」

「え?」

「・・・・てやる」

「え?なに?聞こえな・・・」




一歩シドに近づいた梨乃が耳を澄ませた。





「お前は俺が護ってやるって言ってんだ!」